<内容>
　神戸市北区に所在する新発見の前期前方後円墳発掘調査報告。後円部中央の年度石槨である第1主体部から三角縁神獣鏡と鉄製工具類が出土し、第1主体部と並行して造られた第2主体部からは鉄剣・紡錘車型石製品等が出土。西摂津北部地域で現在判明している唯一の古墳時代前期の前方後円墳。出土した三角縁神獣鏡は「三角縁獣文帯天王日月三神一仏四獣鏡」と分類され、これまで同笵鏡の確認されていない新型式の鏡。
　鏡の写真には高精細印刷を使用し、細部まで観察可能。関連する三角縁仏獣鏡である「群馬県赤木塚古墳出土鏡」「岡山県一宮天神山古墳出土鏡」の写真も合わせて掲載。三角縁神獣鏡の系譜や畿内周縁部における古墳時代前期の様相を考える上で重要な報告。

<目次>
　第1章　はじめに
　第2章　周辺の環境
　第3章　墳丘の調査
　第4章　埋葬施設の調査
　第5章　出土遺物
　第6章　塩田北山東古墳から出土した三角縁一仏三神四獣鏡の鉛同位体比　
　第7章　塩田北山東古墳出土赤色顔料の微視的・科学的調査
　第8章　まとめ