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レビューランキングさんのレビュー一覧
 
1 レビュー投稿日:2021/06/20
文献や絵図から、中世の職能集団がやがて被差別の対象となっていった過程を読み解きました。13世紀から14世紀にかけて日本の社会構造が大きく変わって行き、農民の生活から離脱していた一種の職業的技能集団の地位が、農業生産の発展や牛馬の家畜化等を背景とした畏怖の念の薄れに伴い、南北朝期を境として次第に軽視されるようになったと述べられました。
 
N27015:中世の非人と遊女 中世の非人と遊女
著者:網野 善彦 著 発行元:明石書店 出版年:1994
価格:1,050円

 
2 レビュー投稿日:2021/06/20
戦争や政治事件など権力者の活動を中心とした歴史記述とは違うアプローチで、さらに農民という枠組みから外れる都市民・漁民・職人・芸能民・被差別民への着目など、「瑞穂の国」的な日本史理解を拒否する視点を持っていた網野善彦。史料の扱い方など発表当時から論争が引き起こされても、多種多様な人々・生き方を浮かび上がらせる一冊。
 
N24549:無縁・公界・楽 増補 日本中世の自由と平和 無縁・公界・楽 増補 日本中世の自由と平和
著者:網野 善彦 著 発行元:平凡社 出版年:1996/06
価格:1,223円 会員割引有り

 
3 レビュー投稿日:2021/06/20
講談社の「日本の歴史」シリーズの冒頭巻第00巻として書かれた本です。特定の時代ではなく、日本史学が歩んできた道を反省し、進歩史観を克服し新しい日本史の姿を模索する網野善彦による網野史学の集大成とあり、「孤立した島国」「単一な国家・斉一な民族」「稲作中心の社会」などの「日本像」に疑問を投げかけました。しかし、主張が少し激しいですから、この念頭に置きつつ読んだ方がいいと思います。
 
N80788:「日本」とは何か 「日本」とは何か
著者:網野善彦 著 発行元:講談社 出版年:2000
価格:2,310円 会員割引有り

 
4 レビュー投稿日:2021/06/20
静岡県磐田市見付の一の谷中世墳墓群遺跡を中心のテーマとして、中世都市の姿の全貌に具体的な形で人前に現わさせる中世考古学者と、文献史学者、民俗学者の参加によって、中世墳墓のあり方を多面的に明らかにしつつ、この遺跡保存の道を模索しようとする一冊です。物質的、民衆的な中世都市像を了解したいなら、おすすめです。
 
N42524:中世の都市と墳墓 一の谷遺跡をめぐって 中世の都市と墳墓 一の谷遺跡をめぐって
著者:石井進 網野善彦 編 発行元:日本エディタースクール出版部 出版年:1988/
価格:2,100円 会員割引有り

 
5 レビュー投稿日:2021/06/19
民俗学研究の多様化に対応し、村落研究を基本とした従来の研究分野を再検討することが本書企画の出発点となっています。そして、現在の民俗学の課題に見通しを与えるため、また「発言する民俗学」として社会的役割を担うことを主眼とするため、研究が資料的・分析的にも不十分な分野も積極的に取り上げたとします。執筆者・編者も当時の30代から40代の若手研究者が中心となっています。
 
N88129:現代民俗学入門 現代民俗学入門
著者:佐野賢治 [ほか] 編 発行元:吉川弘文館 出版年:1996
価格:2,625円 会員割引有り

 
6 レビュー投稿日:2021/06/19
ポスト柳田時代の日本民俗学の問題意識。全書は「時間の民俗」「空間の民俗」「心意の民俗」「特論」によって構成されて、柳田の民俗学を批判的に継承し、また菅豊たちに批判された福田アジオたちの「20世紀の日本民俗学」の全体像が示されています。そのために、今の日本民俗学が危機に直面している時代にこの本を読んでも価値があります。
 
N24535:日本民俗学概論 日本民俗学概論
著者:福田 アジオ 宮田 登 編 発行元:吉川弘文館 出版年:1983/
価格:2,520円 会員割引有り

 
7 レビュー投稿日:2021/06/18
民俗学研究の定番書ですが、時代遅れであり、「新版」と呼ばれても、大体30年前出版したやつです。村落調査を中心に、事例として書かれているフィールドワークの状況自体がすでに遠い過去のものとなってしまっています。しかし、民俗調査の項目が広い範囲で記載されているので、80年代の日本民俗学の関心を把握することができる。
 
N24527:民俗調査ハンドブック 新版 民俗調査ハンドブック 新版
著者:上野 和男 (他)編 発行元:吉川弘文館 出版年:1987/
価格:1,995円

 
8 レビュー投稿日:2021/06/13
「近現代の兵士の実像? 慰霊と墓」と異なって、タイトルの「村と戦場」が示すように、本冊にまとめられているのは、銃後社会とされる「ムラ」と昭和期の戦争との関係を論述する歴史学的研究と資料です。特に、軍事郵便、従軍記、陣中日記などのように、戦争の最前線を実際に経験している人たちが書いた文字を史料として、個人体験を歴史に置き、昭和期の戦争を問い直す論文が多いです。
 
N21408:[共同研究]村と戦場 近現代の兵士の実像1 [共同研究]村と戦場 近現代の兵士の実像1
著者:藤井忠俊 関沢まゆみ 編 発行元:国立歴史民俗博物館 出版年:2003
価格:3,150円

 
9 レビュー投稿日:2021/06/13
慰霊の実相と陸海軍墓地との側面に、近現代の戦死者がどのように扱われていたのかという問題を捉える論文・資料集です。特に慰霊編においては、幾つか興味深いポイントが提示されます。「慰霊のモニュメントと「銃後」社会」(本康宏史)と「旧藩における護国神社の創建」(今井昭彦)は、それぞれ軍都の石川県と群馬県を例として、県レーベルの戦死者慰霊運動を紹介します。「兵士の「遺体」と兵士の「遺霊」 」(波平恵美子)において、慰霊問題が戦死者遺体の扱い方から人類学(日本人の死生観など)の視点で検討されます。「紙の忠魂碑」(一ノ瀬俊也)において、作者が従軍者記念誌を着手し各市町村の慰霊の実相を検討します。
 
N32930:[共同研究] 近現代の兵士の実像2 慰霊と墓 [共同研究] 近現代の兵士の実像2 慰霊と墓
著者: 発行元:国立歴史民俗博物館 出版年:2003
価格:3,150円

 
10 レビュー投稿日:2021/06/13
日本仏教史入門の名著といえます。本覚思想に主眼を置いて、もつれている複雑な日本の仏教受容と変遷の歴史をわかりやすく説明しました。すなわち、日本仏教史における人物・事件を、単に年代順で排列するわけではなく、現実肯定の傾向を示す本覚思想の天台による発端から鎌倉仏教へのアプローチを思想史的に辿って試みました。さらに、葬式仏教や神仏習合、仏教に関わる民俗も触れつつ、日本仏教への研究の延長線を示します。
 
N56091:日本仏教史 思想史としてのアプローチ 日本仏教史 思想史としてのアプローチ
著者:末木文美士 著 発行元:新潮社 出版年:1996/01
価格:619円 会員割引有り

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