全87巻(本文86巻+索引1巻)
朝鮮教育会は、日本植民地統治期の官辺教育団体です。会長は総督府の政務総監、副会長は2名で、総督府学務局長と朝鮮人がそれに当たり、会員は、日本の敗戦の頃に3万人を超えていました。この会員に配布した月刊総合紙が「文教の朝鮮」です。日本語で発行された「文教の朝鮮」は、1925年9月号から 1945年1月号まで、全部で229号が発行されました。創刊以来、1回の休刊(1943年3月)と 3回の合併号があり、20年の間刊行されました。休刊と合併号の発行は、戦時統制期の配給用紙が不足だったためです。こうした現象は紙面数にも現れ、当初は150〜200ページだったものが、1941年以後には30〜50ページほどになりました。発行部数は1940年代は3万5千部を超えていました。(1930年 13、550部、1938年 21、495部、1944年 35、900部)
　日本はこの雑誌を通じて朝鮮人の愚民化と朝鮮人の2等国民化を推進しました。朝鮮教育会は、月刊誌を通じて総督府の統治方針に協調しました。初期には植民地教育の担当者である教師らに必要な教授方法や外国の教授理論を紹介し、総督府の教育政策を説明しました。また、授業料の取り立て問題、日本語教育方法などに関する多くの情報を用意しました。しかし満州事変勃発以後、総督府の施政方針によって皇民化教育に重点を置いた内容で教育政策を宣伝し、戦時非常時局の状況を反映しました。この雑誌に研究と学説、論説などを執筆した人は、主に総督府の官僚、京城帝国大学教授でした。その他にも、日本の大学教授、師範学校と各学校の教員、そして軍人たちがいました。彼らは総督府の教育政策を立案する実務者、教育政策に必要な理論的根拠を提供する研究者、実際に学習現場でそういう政策を行って指導して行く担当者たちでした。そのため、「文教の朝鮮」には、文芸と創作、総督府官僚たちの植民地統治論、日本知識層の教育談論、日本政治家の朝鮮政策論、日本政界の動向、在朝日本人の朝鮮風俗、人口、地質調査、李軫鎬(イ・ジンホ)など親日人士の寄稿文、日本植民地統治期の社会と文化を理解することができる多様な資料が収録されました。この月刊誌は日本が植民地統治期に、朝鮮人の教育、社会、文化をどのように管理するかを知ることのできる資料です。
　膨大な分量を御文学社が「文教の朝鮮」で影印発行しました。全86巻で、総ページ数は3万 5980ページにのぼります。(別に索引1巻)