<内容>
昭和54〜62年にかけて行われた纏向小学校用地の出土資料を再整理・再検討してまとめたもの。4695平米の調査地は纏向遺跡の調査内で最大の規模。
庄内期から布留期にかけての前方後方墳・方形周溝墓・土器棺墓などの墳墓群が検出され、大和王権内部における階層性を示す資料として注目される。さらに庄内期築造とされる前方後方墳のメクリ1号墳は、前方後円墳誕生の地とされる纏向遺跡において小規模ながらも東日本地域を代表する墓制が存在したことを示すもので、大和王権と東日本の関係を探る上で重要な資料となった。
主な出土遺物としては、古式土師器のほかに木鏃・鏡形土製品などがある。
(今回は”墳墓編”、”集落編”が続刊予定)