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<内容>
『日本外交文書』は、膨大な外務省所蔵記録の中から重要文書を厳選して収録した外交史料集で、1936年に第1巻を刊行以来、現在までに通算212冊を刊行している。本冊は、「第二次欧州大戦と日本」シリーズ(全2冊、計3巻)の第二冊として、第一冊(日独伊三国同盟・日ソ中立条約)に続いて刊行されるもので、大戦をめぐる日本の方針・措置やいわゆる「南進政策」の変遷を中心に、太平洋戦争開戦までの時期における関係文書(940文書)を上下2巻に収録した。日本と第二次欧州大戦との関係を考察する上で基本的な外交史料が網羅的に集められ、石油などの重要資源を獲得するために行われた蘭印(オランダ領インドシナ)との外交交渉や、日米関係を決定的に悪化させた仏印(フランス領インドシナ)南部への日本軍進駐に関する外交交渉について詳細を明らかにし、第一冊と併せて、太平洋戦争へと突き進んだ日本外交の全体像を理解することができる。収録文書は原文を忠実に活字化し、文書番号や件名を付して項目ごとに日付順に配列され、巻末に全収録文書の日付索引を掲載した。
<目次>　※上巻からの続きです
　4　芳沢特使の蘭印派遣と第一次提案をめぐる協議
　5　第二次提案の提出と日蘭会商の打切り
　6　会商打切り後の対蘭印交渉
六　タイ・仏印国境紛争への調停問題
七　仏印問題
　1　日仏印経済協定の成立
　2　南部仏印進駐
八　南進問題をめぐる英米との関係
　1　極東危機説
　2　資産凍結措置への対応
日本外交文書　第二次欧州大戦と日本　第二冊　日付索引
<各項目の収録文書内容>
【五　蘭印問題】
大戦勃発から太平洋戦争開戦に至るまでの蘭印をめぐる日本とオランダの外交交渉に関する文書。蘭印への戦禍波及に日本は強い関心を有する旨を表明した1940年4月15日の有田八郎外相談話や、バタビア(現在のジャカルタ)で行われた日蘭間の貿易調整交渉などの関係文書を収録。
【六　タイ・仏印国境紛争への調停問題】
タイと仏印との国境紛争調停のため1941年に東京で調停会議が開催されたが、この経緯を示す関係文書や日本がタイ・仏印と結んだ調停関連の議定書などを収録。
【七　仏印問題】
日仏印経済協定(1941年5月成立)や仏印南部進駐(1941年7月進駐)をめぐる日仏交渉に関する文書。
【八　南進問題をめぐる英米との関係】
1941年2月に日英間で顕在化した極東危機説、ABCD対日包囲陣や対日資産凍結令への日本の対応など、対南方施策をめぐって先鋭化した日本と英米との関係に関する文書を収録。

※以下は上巻に収録
【一　大戦にかかるわが方方針】
欧州戦争不介入を表明した1939年9月4日の日本政府声明や、「大東亜共栄圏の確立」を提唱した1940年8月1日の松岡洋右外相談話をはじめとする日本政府の基本外交方針。
【二　大戦をめぐるわが方措置】
大戦勃発回避に向けて日米間で交換された覚書、ポーランド亡命政府を継承政権として認定した日本政府の見解、浅間丸事件の関係文書など、大戦をめぐる日本政府の諸措置に関する文書。
【三　大戦に伴う英国の通商制限措置への対応】
大戦に伴い英国が実施した貿易管理や海運制限をめぐり日英間に行われた調整交渉の関係文書。
【四　大戦をめぐる諸情報】
ドイツ軍のポーランド侵攻に至るまでの欧州政局や開戦後の交戦国動向などに関して各地在外公館から寄せられた諸情報に関する文書。