<内容>
　昭和3年、出土した弥生土器を分析した小林行雄は、朝鮮半島から九州に伝わった弥生文化の東方への波及を列島規模で洞察、安満遺跡の名は全国に知れわたりました。以来、環濠、方形周溝墓群、井堰と用水路などの重要な遺構が、近畿地方の他遺跡にさきがけてつぎつぎに発見され、弥生農村のイメージづくりに大きな役割を果たしてきました。
　本展では、安満遺跡の数々の出土品とともに、三島の弥生文化を語るうえで欠かすことができない東奈良遺跡の銅鐸や鋳型をはじめとする青銅器製作の関連資料をあわせて展示いたします。とくに平成11年に出土した最古の銅鐸とされる「東奈良銅鐸」に関しては、最新の研究を紹介するなかで、銅鐸の発祥についても論及し、その内容を詳しく解説。(本書ごあいさつより抜粋)
<目次>
概論　森田克行　三島弥生文化の黎明　安満と東奈良
安満遺跡の発見と調査研究の歴史
展示品解説　弥生のムラの風景
　1.コメを食べる　　　
　2.コメをつくる
　3.村の生業
　4.狩りと戦い
　5.飾る　　　　　　
　6.死者を葬る　　
　7.まつりの道具
特別寄稿　設楽博己　東奈良銅鐸の文様をめぐって