【書評】
・『中央史学』38号,『日本考古学史研究』3号に書評が掲載されました。
【内容】
　本書は2013年度前期に行なった中央大学での講義ノートに、「註」と「参考文献」を加えたものである。日本先史考古学の体系と基盤を構築した山内清男博士の学問を軸に、斯学にかかわった10人の学者たちの人柄と学問を紹介しつつ、明治〜昭和初期における日本先史考古学の主要なあゆみを概観している。基本的には人物史に重点を置き、入門者にも読みやすい内容となるよう配慮してあるが、従来の学史研究とはかなり異なる視点に立って「原典」を批判的に分析し、新たな発見を紹介している点で、「研究書」の側面もある程度併せ持つ。著者が長年にわたって蓄積してきた学史研究のノウハウとその意義についても随所で解説している。
【目次】
第1講　本講義の目的　
第2講　山内清男の生涯と業績概観
第3講　エドワード・S・モースの人と学問　―山内考古学の源流　1―
第4講　坪井正五郎の人と学問　―山内考古学の源流　2―
第5講　鳥居龍蔵の人と学問　―山内考古学の源流　3―
第6講　松本彦七郎の人と学問　―山内考古学の源流　4―
第7講　長谷部言人の人と学問　―山内考古学の源流　5―
第8講　山内清男の型式学(1)　山内清男の「型式」とは?
第9講　山内清男の型式学(2)　―縄紋研究、文様帯系統論―
第10講　山内考古学と周辺研究者の方法論との相違(1)
　1　山内清男の土器型式学のまとめ
　2　甲野勇の人と学問
第11講　山内考古学と周辺の研究者の方法論との相違(2)
　1　八幡一郎の人と学問
　2　中谷治宇二郎の人と学問　
第12講　山内考古学と周辺の研究者の方法論との相違(3)―森本六爾の人と学問―
第13講　山内考古学と周辺の研究者の方法論との相違(4)―小林行雄の人と学問―
第14講　山内清男の層位論的研究
第15講　本講義のまとめ
あとがき
人名索引
事項索引