※2016年11月27日(日)に開催された埼玉考古学会60周年記念シンポジウムの資料集です
【内容】※本書開催趣旨より抜粋
本シンポジウムでは、中世考古学の様々な要素の中から、埼玉県の中世史を組解く上で重要な交通遺跡「鎌倉街道」と周辺の「景観」をキーワードとしました。「鎌倉街道」は、中世、幕府が置かれた鎌倉と、諸国を結ぶ主要幹線道路といわれています。「鎌倉街道」の呼称は、中世の資料には見当たらず、「上道」、「中道」等、個別の名称で呼ばれていました。「鎌倉街道」の名称が用いられるのは、江戸時代に入ってからのことです。
考古学的な調査成果から得られる「鎌倉街道」周辺の客観的事実、中世考古資料の分布等に検討を加えた古街道の復元、さらに旧河道、旧道の復元や地勢、地名から土地の来歴を探る歴史地理学的なアプローチ、街道と宿・集落の変遷等の検討等、各地に適した一様ではない手法で往時の歴史景観の復元を試みました。
【目次】
吉田義和「「鎌倉街道上道」と丘陵の中世遺跡　〜小川町日向遺跡周辺〜」
佐藤春生「鎌倉街道上道と渡河点周辺の中世遺跡〜毛呂山町堂山下遺跡と苦林宿周辺
野澤　均「羽根倉道を探る」
黒済和彦「「鎌倉街道中道」と中世遺跡〜里字屋敷添遺跡群・三ツ和遺跡周辺〜」
蔭山誠一「中世東海道(鎌倉街道)尾張国萱津宿と下津宿の景観復元」
別紙:宮瀧交二編　「鎌倉街道」関係文献目録(抄)　付