【主な内容】
今回の大会では、海外から出島に何がもたらされたか、長崎市中には何がもたらされたかという観点と共に、出島から何が海外に渡ったか、唐から何が海外に渡ったのかという、長崎のもつ国際性について発表並びに議論をしたいと思います。
海外への輸出は、出島と唐人屋敷・新地蔵から行われました。オランダ船はバタビアを拠点としており、そこからヨーロッパヘ品物を輸送しました。一方で、唐人貿易は中国、東南アジアからインド、西アジアを経由した西回りでヨーロッパヘと品物を輸送しました。さらにマニラ(スペイン領)から太平洋を越えてメキシコを経由した東回りでヨーロッパへと品物を輸送しました。唐人による交易量はオランダ船より多く、スペィン領マニラ、ポルトガル領マカオ、オランダ領パタビアなどにも及び、日本の品物の多くが唐船によって運ばれています。新たな視点で長崎の魅力を皆様と共に考えてみたいと思います。(本書「開催挨拶」より一部抜粋)
【目次】
田中 学　「長崎市中遺跡出土の輸入陶磁器」
山口 美由紀「出島の貿易陶磁―出土資料の様相 」
中野 雄三「海外に輸出された波佐見焼」
野上 建紀「長崎から輸出されたチョコレートカップ」