【書評等】
【内容】
2010 年 2 月に刊行した『常陸の古墳群』の続編、 2018 年 2 月に刊行した『霞ケ浦の前方後円墳』の姉妹編を担う発掘調査報告書。『常陸の古墳群』では、古墳の調査が比較的進んでいるひたちなか市、水戸市、石岡市、小美玉市、かすみがうら市、つくば市、土浦市の古墳・古墳群を集成し、古墳・古墳群の動向を明らかにした。本書では、以後の調査成果を踏まえ、より広い範囲を対象とし、不明な部分の多い常陸の古墳と古墳群に関して、今後の研究基盤となる視点を整理している。
本書には、北茨城市、常陸大宮市、日立市、東海村、大洗町、桜川市、茨城町、行方市、潮来市、鹿嶋市、牛久市、美浦村、稲敷市の古墳・古墳群集成とかすみがうら市折越十日塚古墳・坂稲荷山古墳の発掘調査成果も収録。
【目次】
はじめに
例　言
序　章　佐々木憲一　常陸の古墳文化理解のために　『常陸の古墳群』から10年
第1章　常陸の古墳文化の特質に迫る(座談会)　 　
第2章　地域研究
萩野谷　悟　常陸大宮市域の古墳群
生田目和利　日立市域の古墳群と横穴墓群 　
林　恵子　東海村域の古墳群 　
蓼沼香未由　大洗町域の古墳群
川又隆一郎　 桜川市域の古墳群について
栗原　悠　茨城町域の古墳群
小澤重雄　行方市の古墳群 　
中村哲也　美浦村域の古墳群 　
千葉隆司　稲敷市の古墳文化
谷仲俊雄　牛久市域の古墳群
石橋美和子　鹿嶋市域の古墳群 　
佐々木憲一　潮来市域の古墳群
第3章　田中　裕　茨城県域における古墳群の構造とその特色　総括に代えて
附編　茨城県かすみがうら市折越十日塚古墳・坂稲荷山古墳発掘調査報告　
あとがき
編者紹介
執筆者・協力者一覧
【編者紹介】
佐々木憲一(ささき　けんいち)
1962年東京生まれ、京都育ち。ハーヴァード大学大学院人類学研究科博士課程考古学専攻修了、Ph.D.(学術博士)。現在、明治大学文学部教授。
主要著作:『霞ケ浦の前方後円墳』(編著、明治大学文学部考古学研究室・六一書房2018)、Early Korea-Japan Interactions(共編著、Harvard University Korea Institute, 2018)、『信濃大室積石塚古墳群の研究IV』(共編著、明治大学文学部考古学研究室・六一書房2015)、『古墳から寺院へ―関東の7世紀を考える―』(共編著、六一書房2013)、『はじめて学ぶ考古学』(共著、有斐閣2011)など
田中　裕(たなか　ゆたか)
1968年長野県生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科退学。千葉県教育庁勤務を経て、現在、茨城大学人文社会科学部教授、副学部長
主要著作:『茨城県中央部の古墳調査―測量報告(墳丘・石室・遺物)―』(編著、茨城大学人文社会科学部考古学研究室 2018)、『常陸国那賀郡家周辺遺跡の研究―報告編(地名・遺構・遺物)―』(編著、茨城大学人文学部考古学研究室2014)、『前方後円墳の終焉』(共著、雄山閣 2010)、『シナノの王墓の考古学』(共著、雄山閣 2006)など
執筆者
萩野谷悟(茨城県常陸大宮市教育委員会)
生田目和利(日本考古学協会)
林恵子(茨城県東海村教育委員会)
蓼沼香未由(茨城県大洗町教育委員会)
川又隆一郎(茨城県桜川市教育委員会)
栗原悠(茨城県教育庁文化課)
小澤重雄(茨城県立歴史館)
中村哲也(茨城県美浦村教育委員会)
千葉隆司(茨城県かすみがうら市教育委員会)
谷仲俊雄(茨城県石岡市教育委員会)
石橋美和子((公財)鹿嶋市文化スポーツ振興事業団鹿嶋市どきどきセンター)
大熊久貴(明治大学大学院文学研究科博士前期課程)
協力者
稲田健一((公財)ひたちなか市生活・文化・スポーツ公社　埋蔵文化財調査センター)